離れて暮らす親に詐欺・セキュリティの話をどう伝える?責めない言い方と約束

目次
「気をつけて」と注意するより、「困ったら一緒に見よう」と約束しておくほうが、続きやすいと筆者は考えています。
身近に相談できる人がいないときは → 相談先を見る
心配で電話したのに、「大丈夫、大丈夫」と流されてしまう。かといって、強く言えば、もう話してくれなくなるかもしれません。
アラフィフの筆者が、離れて暮らすご両親のことが気になる方と、ご自身のこととして読むシニアの方に向けて書いています。体験談ではなく、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の公開情報と、筆者の提案を分けて書きます。
なぜ、親に切り出しにくいの?
「疑っている」「できないと思っている」と受け取られやすい話題だからです。 筆者の見方ですが、心配する側の言葉が、相手には叱られているように聞こえることがあります。
IPAのハンドブックも、詐欺の手口には「相談しにくい」ようにしむけるものがあると説明しています。相談しにくい空気ができてしまうと、困っていても、話してもらえません。家族の側ができる最初のことは、「話しやすい空気」を作ることだと考えています。
何をどこまで伝えればよいの?
全部を伝える必要はないと筆者は考えています。IPAが示す「基本」6つのうち、まず3つから話題にしてみませんか。
筆者は次の3つを、最初に話題にすることを提案します。
- ソフトウェアの更新(スマホやパソコンのOSやアプリを、新しい状態にすること): 更新の知らせが出たとき、どうするかを一緒に決めておく
- パスワードの管理と認証の強化(パスワードを使い回さないなど、ログインを守る工夫): 使い回しをしていないか、責めずに一緒に確認する
- 脅威と手口を知る(どんな詐欺やだましの手口があるかを知っておくこと): 最近の手口を、ニュースのように話題にする
具体的な設定は、機器によって違います。「家族と見直すスマホの安全設定」も参考にしてください。
どんな言い方なら、責めずに伝わるの?
筆者の提案は、「責めない」ことを最優先にすることです。 以下は、体験談ではなく、筆者が考えた言い方の例です。
- 「こういう連絡が増えているらしいよ。うちにも来るかもしれないね」と、自分の話として切り出す
- 「だまされないでね」より、「変だなと思ったら、見せてね」と頼む形にする
- すでに何かあったと聞いたら、「話してくれてありがとう」と最初に言う
手口の説明は、怖がらせすぎない程度にします。「「ハッキングした」「未納料金」のメールが届いたら」や「AIの偽情報・なりすましに気づく考え方」のように、記事を一緒に読む形でも構いません。
家族だけで足りないときは、どうすればよいの?
IPAのハンドブックは、身近に相談できる人がいない場合、公的機関の相談窓口を案内しています。 たとえば、情報セキュリティ安心相談窓口(IPA)は、一般的な情報セキュリティの技術的な相談にアドバイスを提供していると紹介されています。
- 今まさに危険なとき: 110番
- #9110(警察相談専用電話): 緊急でない生活の安全の相談
- 188(消費者ホットライン): 契約や支払いなど消費生活のトラブル
- 情報セキュリティ安心相談窓口(IPA): 技術的な相談
親御さん自身が「家族には言いにくい」と感じる場合もあります。そのときのために、窓口があることを、元気なうちに伝えておくのも一つの方法です。窓口の使い分けは「困ったときの相談先まとめ」にあります。
どんな約束をしておくとよいの?
筆者の提案は、「責めない」「合言葉か別の連絡手段で確かめる」「相談先を紙に書いて貼る」の3つです。 体験談ではなく、考え方の提案です。
- 責めない: 何かあっても、まず「話してくれてありがとう」と言う。これを家族で先に決めておく
- 合言葉、または別の連絡手段で確かめる: 「家族」を名乗る連絡が来たら、あらかじめ決めた合言葉を聞く、または、いつもの番号にかけ直して確かめる
- 相談先を紙に書いて貼る: 電話の近くやスマホのそばに、連絡する先を書いた紙を貼っておく
紙には、そのまま写せるように、たとえば次を書きます。
- 連絡しやすい家族の名前と電話番号
- 警察相談専用電話 #9110
- 消費者ホットライン 188
- 今まさに危険なとき 110番
画面を見て慌てているときは、思い出す余裕がないためです。「画面に「ウイルス感染」と電話番号が出たら」でも、同じ考え方を紹介しています。
離れていても、どう続ければよいの?
一度で終わらせず、電話のついでに、ひとことずつ話題にする形が続けやすいと考えています。 筆者の提案です。
- 季節の挨拶のように、「最近こんな連絡が増えているらしいよ」と触れる
- 帰省や、ビデオ通話のときに、紙の内容を一緒に見直す
- 親が「これ、どう思う?」と聞いてきたら、それを喜ぶ
自分自身のこととして読んでいる方は、「連絡しやすい人を一人決める」ことから始めてみてください。
よくある質問
親が「大丈夫」と言って聞いてくれないときは、どうすればよいですか?
無理に説得しなくて構いません。「困ったときだけ、見せてくれればいいよ」と、ハードルを下げて伝えるのも一つの方法です。紙に相談先を書いて、送っておく方法もあります。
合言葉は、どう決めればよいですか?
筆者の提案ですが、家族しか知らず、SNSなどに書いていない言葉にします。電話やメッセージで決めるより、会ったときに決めるほうが、まぎれにくいと考えています。
本人がスマホを使わないときも、必要ですか?
固定電話や郵便、訪問など、スマホ以外の連絡もあります。この記事の約束ごと(責めない・確かめる・相談先を貼る)は、どれにも使える考え方です。
相談窓口を、親に勧めて失礼になりませんか?
「家族に言いにくいことがあっても、ここに話せるよ」と、選択肢として伝えれば、押しつけにはなりにくいと考えます。IPAも、身近に相談できる人がいない場合に公的機関の窓口を案内しています。
親がすでにお金を払ってしまったようなときは、どうすればよいですか?
責めずに事情を聞き、警察相談専用電話(#9110)や消費者ホットライン188などに相談してください。筆者の提案ですが、銀行やカード会社にも早めに連絡します。あわせて、届いた連絡や振込の記録を残しておきます。受付の範囲は各公式ページで確認してください。
この約束ごとは、シニア本人にも使えますか?
はい、使えます。連絡しやすい人を決めて、相談先を紙に書いておくことから始めてみてください。
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一次情報・確認先(確認日 2026-10-18)
- IPA「10大脅威 2026 個人編 ハンドブック」(P.30 基本の6つ、P.31 相談先 ほか) https://www.ipa.go.jp/security/10threats/omgdg50000008fi8-att/setsumei_2026_kojin.pdf
- 基本の6つ: ソフトウェアの更新、セキュリティソフトの利用、パスワードの管理・認証の強化、設定の見直し、バックアップの取得、脅威・手口を知る
- IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」 https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2026.html
- 情報セキュリティ安心相談窓口(IPA。ハンドブックP.31の表記は「IPA 安心相談窓口」) https://www.ipa.go.jp/security/anshin/about.html
- 警察相談専用電話(#9110): https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/manga/dial/
- 消費者ホットライン188: https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/188_pamphlet/