デマを拡散する前に|LINE転送・投稿の前の一呼吸と相談先

目次
人に送る前に、いったん手を止めて、「本当かな」「大勢の前で言えるかな」と自分に聞いてみるのがよいと、筆者は考えています(筆者の提案)。
迷ったり、困ったりしたときは → 相談先を見る
「これ、大事な情報かも」と思ったときほど、すぐ誰かに知らせたくなるものです。この記事では、情報を人づてに広めること、つまり拡散(一般的な言い方)の前に、何ができるかを考えます。
アラフィフの筆者が、シニアの方と、そのご家族に向けて書いています。体験談ではなく、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公開している「情報セキュリティ10大脅威 2026 個人編 ハンドブック」の内容と、筆者の提案を分けて書きます。
ネットの情報を人に送る前に、何をすればよいの?
まず慌てず、一呼吸おいて冷静になることです。IPAのハンドブック(P.19-21)でも、「しないために」の最初に「慌てない」が挙げられています。
IPAは、次のような考え方を示しています(要約)。
- 慌てない。一呼吸して、冷静になる
- 情報リテラシー(情報を見きわめる力)・情報モラル・法令を守る意識を高める
- 情報の信頼性を確認する
- 誹謗・中傷や、公序良俗に反する投稿や拡散をしない(誹謗・中傷は人を傷つける悪口、公序良俗は社会の決まりごとのこと。一般的な補足)
- 投稿や拡散の責任を問われることがあると、知っておく
このほかに、発信するときの心構えも示されています(下の節で触れます)。IPAのハンドブックは、こうした「ネット上の誹謗・中傷・デマ」を、個人向けの脅威の一つに挙げています。
ネットの情報を、なぜ親切のつもりで広めてしまうの?
「広めれば誰かの役に立つ」という親切心が裏目に出て、デマと気づかないまま広めてしまうことがあるからです。 IPAは、やってしまう理由の一つとして、この親切心を挙げています。
IPAのハンドブックには、たとえば次のような理由が紹介されています(要約)。
- 災害への備えの情報が、デマとわからないまま広まってしまう
- 見ず知らずの人が匿名で書いたことでも、ネットの情報は本当のことだと考えがち
- 匿名なら特定されない、と思い込んでいる
IPAは、不適切な投稿は訴えられて裁判になることもあり、風評被害や社会的な混乱につながることもあると説明しています。悪気がなくても、広めた側として責任を問われることがある、と筆者は受け取っています。
家族のLINEに転送する前に、どんなひと呼吸がよいの?
筆者の提案は、家族のLINEに転送する前に、「3つの質問」を自分にして、確かめてから送ることです。 体験談ではなく、筆者が考えた場面と手順です。
たとえば、こんな場面を思い浮かべてください。「この食べ物が危ない」という文章が、友だちから届きました。家族のLINEに、すぐ転送したくなります。
そんなとき、送る前に、次の順で自分に聞いてみます。
- 誰が書いたかわかる? 名前や組織が書かれていなければ、いったん保留にする
- ほかの場所にも書いてある? 国や自治体、報道機関など、公式の発表を自分で探してみる
- 「拡散して」「急いで」と急かす文面ではない? 急かす文面ほど、一呼吸おく
確認できなかったら、送らない選択もあります。どうしても伝えたいときは、「こんな情報が届いたけれど、本当かどうかはわからない」と添える方法もあります。
探し方がわからないときは、AIに相談する方法もあります。AIの答えも間違うことがあるため、公式ページで確かめる前提にします。「AIの偽情報・なりすましに気づく考え方」も参考にしてください。
ネットに匿名で書き込めば、誰にもわからないの?
いいえ。匿名で書いても、投稿した人が特定される場合があるので、「名前を出していないから大丈夫」とは言えません。 IPAのハンドブックは、匿名の投稿でも、投稿者の情報の開示請求によって発信者が特定される場合があると説明しています。
開示請求とは、一般的な補足として、書いた人の情報を、事業者に出してもらうよう求めることです。
「大勢の前で言えないことは書かない」という、ネットで発信するときの心構えとは?
IPAは、「大勢の前で名乗って言えないこと、できないことは、インターネットでも発信しない」という心構えを示しています。
画面の向こうには、実際に読む人がいます。目の前で顔を合わせて言えないことは、画面の上でも、言わないでおく。短い言葉ですが、迷ったときの目安になります。
ネットで自分が中傷されたときは、どうすればよいの?
IPAのハンドブックは、投稿の記録・保存、相談、削除の依頼、弁護士への相談、警察への通報・相談という流れを示しています。 ここでは短く触れます。
- 書き込みを記録・保存する(IPAの案内)。警察庁のページには、記録する項目として、サイト名称・URL・書き込み者・書き込みの日時・内容などが挙げられています
- 相談する(違法・有害情報相談センター、人権相談、誹謗中傷ホットラインが挙げられています)
- 書き込みの削除を検討し、掲示板などの管理人に依頼する。連絡が取れないときは、プロバイダー等に依頼する
- 弁護士に相談する
- 警察に通報・相談する
いきなり返信したりせず、まず記録を残すのがよいと筆者は考えています(筆者の提案)。詳しい手順は、筆者の別サイトの記事「ネットで誹謗中傷を受けたら」で整理しています。
ネットの情報やデマで困ったとき、どこに相談すればよいの?
ネット上のトラブルは違法・有害情報相談センター、緊急でない悩みは #9110、お金や契約のトラブルは188です。
- 今まさに危険なとき: 110番(事件・事故の緊急通報)
- #9110(警察相談専用電話): 緊急ではない、生活の安全に関する悩みや相談
- 188(消費者ホットライン): 全国共通の番号で、身近な消費生活相談窓口を案内してくれる
- 情報セキュリティ安心相談窓口(IPA): 情報セキュリティに関する一般的な技術的相談に、アドバイスを提供している
- 違法・有害情報相談センター: 総務省の委託事業で、ネット上の誹謗中傷の削除方法などを、Webフォームで無料で相談できる窓口です(確認日2026-10-18)
受付時間や手順は変わることがあるため、各公式ページで確認してから連絡します。窓口の使い分けは「困ったときの相談先まとめ」にもまとめています。
ネットの情報について、家族とどんな約束をしておくとよいの?
筆者の提案は、「迷ったら送る前に聞き合う」ことを家族で決めておくことです。責める空気がないほうが、続きやすいと考えています。
- 「これ、本当かな?」と、気軽に聞き合う
- 送ってしまったあとで気づいても、責めずに「間違いだったみたい」とひとこと伝える
- 声のかけ方は「離れて暮らす親に詐欺・セキュリティの話をどう伝える?」も参考にしてください
よくある質問
間違った情報を、もう送ってしまいました。どうすればよいですか?
気づいた時点で、送った相手に早めに伝えるのがよいと筆者は考えています(筆者の提案)。ご自分を責めずに、「間違いだったかもしれない」と伝えてください。投稿してしまった場合は、投稿の削除を検討します。難しいときは、違法・有害情報相談センターなどに相談できます。
送る前に、情報が本当かどうかを確かめるには?
書いた人がわかるか、国や自治体などの公式発表に同じ内容があるかを、自分で探してみてください(筆者の提案)。文面だけでは、判断できないことが多いためです。見つからないときは、送らずに保留にします。
ネットに匿名で書き込めば、問題になりませんか?
いいえ。匿名でも特定される場合があります。IPAのハンドブックは、匿名の投稿でも、投稿者の情報の開示請求により、発信者が特定される場合があると説明しています。「匿名だから」と考えず、大勢の前で言えるかどうかを目安にしてください。
家族から転送されてきた情報が、怪しいと思ったらどうすればよいですか?
まず「教えてくれてありがとう」と伝えて、「ちょっと一緒に調べてみようか」と声をかけてみてください。責める言い方は、次から話してもらえなくなるかもしれません。
自分の悪口を書かれていました。まず何をすればよいですか?
返信せず、まず記録を残すことを筆者は提案します(筆者の提案)。記録する項目は、警察庁のページに、サイト名称・URL・書き込み者・書き込みの日時・内容などと挙げられています(IPAの記載とは別です)。そのうえで、違法・有害情報相談センターなどに相談できます。
脅したり、お金を求めたりする連絡は、デマと同じ扱いですか?
別の手口です。「「ハッキングした」「未納料金」のメールが届いたら」を参考にしてください。
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一次情報・確認先(確認日 2026-10-18)
- IPA「10大脅威 2026 個人編 ハンドブック」(P.19-21 ネット上の誹謗・中傷・デマ、P.31 相談先)
- IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」
- 警察庁「インターネット上の誹謗中傷等への対応」
- 違法・有害情報相談センター(総務省委託事業)
- 情報セキュリティ安心相談窓口(IPA)
- 警察相談専用電話(#9110)
- 消費者ホットライン188